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2015/01/05

【 住宅の断熱工法について 】

Tweet ThisSend to Facebook | by innhouse


 住宅の断熱工法はいろいろな工法があり、それぞれに長所・短所があります。
ここでは木造と鉄筋コンクリート造(RC造)での主な断熱工法について解説していきます。

【木造の断熱工法】
 木造(W造)の断熱工法は大きく分類すると、
外壁体内の空間に断熱材を充填する「充填断熱工法」、
外壁の外部側に断熱材を張る「外張り断熱工法」、
充填断熱と外張り断熱を併用する「付加断熱工法」の3種類に分類されます。
鉄骨造に関しても、おおむね木造の断熱工法と同様に考えてよろしいかと思います。

低コストの充填断熱工法
 充填断熱は木造在来工法で一般的に用いられてきた工法です。
外部側柱間など壁の空隙部を利用して断熱材を充填するため、専用の支持材などを必要とせず、軽く扱いやすい材料なため、施工費は他工法に比べ低く抑えることができます。

 主に用いられるグラスウールなどの鉱物繊維系断熱材は比較的安価な断熱材で、他の工法に比べ低コストで施工できます。
また外装材は柱、間柱に取り付けた通気胴縁に直接支持できるため、重量による外装材の制限がなく選択の自由があります。

 充填断熱では土台、柱、間柱、胴差、桁、梁の間に断熱材を充填するため、木材の部分には断熱材の欠損部分がどうしてもできてしまいます。
その断熱材を充填できない部分は熱橋(ヒートブリッジ)となり、熱損失が発生するという短所があります。
そのため断熱欠損部がなるべく少なくなるように、細部各所に計画的に断熱施工を行う必要があります。

 参考ですが、木材は断熱性能が全くないわけではありません。
木材の断熱性能はグラスウールなどの鉱物繊維系断熱材1/4程度はあります。

熱橋の少ない外張り断熱工法
 外張り断熱は発泡樹脂系の押出法ポリスチレンフォームなどの板状断熱材を、外部側柱の外側に張り付ける方法が一般的です。
他にグラスウールを張る方法もあります。
いずれの方法も断熱材で建物外壁を覆うことにより、充填断熱工法で生じた土台、柱、間柱、胴差、桁、梁での断熱欠損による熱橋(ヒートブリッジ)がありません

 充填断熱工法では断熱材を充填していた壁に断熱材がないため、その空隙部分で設備関係の配線、配管で融通性のある施工が可能となります。
特に寒冷地では断熱材が柱の外部側にあるため、断熱材内に給水管を設置した場合に比べて、凍結のおそれが少なくなります。

 外張り断熱では、北海道札幌の場合、50mm以上の断熱材を柱に専用ビスで通気層下地の胴縁で取り付けるのが一般的ですが、厚みのある断熱材をビスだけで取り付けるため、外気温の変動による熱収縮や強風や地震時の揺れなどで外壁材の重量によってはビスに曲がりや引き抜きが生じることがあります。
 それらが原因で外壁材のゆがみなどが起こる可能性があり、ビスの取付間隔には特に注意が必要です。
上記の理由で、重いタイルやモルタルなどの壁の施工は、おすすめできません。

 コストに関しては、専用ビスやボード系の高性能断熱材は鉱物繊維系断熱材に比べ、材料費も施工費もかかるため、高コストになります。

高気密、高断熱の付加断熱工法
 付加断熱工法とは柱間など壁の空隙に断熱材を充填し、さらに柱の外部側にも断熱材を外張り付加する工法です。
いわゆる「充填断熱」と「外張り断熱」を併用した工法です。
併用ですので、当然他の工法に比べ、断熱性能の高い住宅になります。
また、柱の外側ではなく、内側に断熱材を付加する方法もあります。

【鉄筋コンクリート造の断熱工法】
 鉄筋コンクリート造(RC造)の断熱工法は大きく分類すると、
コンクリート壁の内側を断熱する「内断熱工法」、
コンクリート壁の外側を断熱する「外断熱工法」2種類に分類されます。

内断熱工法
 内断熱工法はRC造で一般的に用いられてきた工法で、外部側コンクリート壁の内側に断熱層を設けます。
断熱材は発泡樹脂系の押出法ポリスチレンフォームなどの板状断熱材をコンクリート打設時に打ち込むのが一般的でしたが、近年では高断熱発泡ウレタンを現場で直接、コンクリート壁や天井に吹き付けして断熱層を作る工法が主流になってきています。
内断熱工法は、熱橋(ヒートブリッジ)部分の内部結露が発生リスクがあるため、熱橋対策が必要です。

外断熱工法
 外断熱工法はコンクリート壁の外部側に断熱層を設ける工法です。
RC造の場合、断熱材は内断熱と同じく板状断熱材をコンクリート打設時に打ち込む工法が一般的です。
バルコニー部分を除けば、断熱材で建物外部全体を覆うことにより、断熱欠損や熱橋(ヒートブリッジ)の発生が抑制されます
また外気温の変化による主要構造躯体の熱による膨張、収縮を最小限に抑えることができます。
熱容量の大きいコンクリート躯体は暖房による熱の蓄熱性が高いので一度暖まった躯体は冷めにくく、効率の良い快適な暖房の効果が期待できます

 コンクリート躯体が断熱層の室内側にあるため、ほぼ完全な防湿気密となるので、断熱材内部の結露リスクがきわめて低いです。
また、躯体が風雨にさらされる部分が少ないので、躯体の劣化がおきにくいというメリットもあります。

 短所としては断熱材が外部側にあるので防火、防風などを考慮した外装の仕上げが必要となり、コンクリート躯体に直接仕上げできる内断熱工法に比べ高コストになります。

 なお北海道札幌のような寒冷地では、屋上屋根などを外断熱にすると凍結などによる断熱層の劣化がおきやすく、外断熱による施工が困難なため、屋根部位は内断熱にせざるおえません。
そのような屋根部分には熱橋対策が必要になります。

18:20 | エコ住宅・省エネ住宅